
「こどもが急に頭が痛いと言い出した」
「何科を受診したらいいのか分からない」
お子さんの頭痛、どのように対応すればいいのかお悩みではありませんか?
こどもの頭痛は大人とは異なる特徴があり、適切な対処法を知ることが重要です。
今回は、こどもの頭痛について原因や対処法、何科を受診すべきかなどを詳しく解説していきます。
こどもの頭痛
こどもの頭痛は、生活習慣や環境の影響を受けやすく、長時間のスマホやタブレットの使用、姿勢の悪さ、ストレスなどが原因となることがあります。特に、学校生活や家庭環境のストレスが頭痛を引き起こすことが多いため、親や教師がこどものストレスを軽減するためのサポートが必要になります。
また、遺伝的要因も関与していることがあり、親が片頭痛を持っている場合、こどもも片頭痛を発症するリスクが高くなります。頻繁に起こる場合や症状が重い場合、専門医の診断を受けましょう。
こどもの頭痛の特徴

こどもの頭痛は大人と違い、以下のような特徴があります。
①持続時間が短い
こどもの頭痛は大人に比べて持続時間が短く、数時間以内に治まることが多いです。特に片頭痛の場合、2時間程度で治まることが一般的です。
②頭痛の合間は元気
頭痛が治まると、こどもは普段通りに元気に活動することが多いです。こどもの頭痛は一時的なもので、持続的な影響がないケースが多く見られます。
③嘔吐や腹痛を伴うことが多い
こどもの頭痛はしばしば嘔吐や腹痛を伴います。特に片頭痛の場合は、これらの症状が前兆として現れることがあります。
④熱を伴う場合は要注意
発熱がある場合、感染症や他の重篤な病気の可能性があるため、早めに医療機関を受診しましょう。
こどもの頭痛の主な原因
①一次性頭痛(病気が原因ではない)
一次性頭痛は、特定の病気が原因ではなく、生活習慣や環境要因が関与しています。代表的なものに片頭痛や緊張型頭痛があります。
- 片頭痛
片頭痛は、こめかみから目のあたりにかけてズキズキと脈打つような痛みが特徴で、ストレスや睡眠不足、特定の食べ物(チョコレートやチーズなど)が引き金になることがあります。また、遺伝的要因も関与しており親が片頭痛を持っている場合、こどもも発症しやすくなります。
- 緊張型頭痛
緊張型頭痛は、頭の両側や後頭部に圧迫感や締め付け感を感じることが多く、長時間のスマホやタブレットの使用、姿勢の悪さ、精神的なストレスが原因で起こりやすいです。特に勉強やゲームなどで同じ姿勢を続けることが多いこどもに見られます。
- 運動後の頭痛
運動後の頭痛は、激しい運動や長時間の運動後に発生することがあります。これは、運動による血管の拡張や脱水症状、低血糖が原因とされています。運動中や運動後にこまめな水分補給や適切な栄養補給を心がけましょう。
②二次性頭痛(病気が原因)
二次性頭痛は、他の病気が原因で発生する頭痛で、感染症や副鼻腔炎、起立性調節障害などが原因となることがあります。
- 熱による頭痛
熱による頭痛は、風邪やインフルエンザ、咽頭炎などの感染症が原因で発生します。発熱により頭蓋内の末梢神経が拡張し、頭痛が引き起こされます。特に高熱が続く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
- 副鼻腔炎
副鼻腔炎は、副鼻腔(鼻の周囲にある空洞)の粘膜が炎症を起こし、膿がたまることで発生します。鼻づまりや鼻水、嗅覚障害に加え頭や顔の痛みを伴うことがあり、特に朝や前屈したときに痛みが強くなります。
- 起立性調節障害
起立性調節障害は、立ち上がったときに頭痛やめまい、倦怠感などの症状が現れる病気です。血圧や心拍数の調節がうまくいかず、特に午前中に症状が強く現れます。適切な水分補給や生活習慣の改善が重要になります。
年齢別の対処法

【幼児期(2-5歳)】
言葉で痛みを表現できない場合もあるので嘔吐や熱に注意しましょう。早めに適切な対処法を見つけることが重要です。
【学童期(6-12歳)】
学校生活への影響が大きくなります。原因を特定しやすいため、具体的な対処法が立てやすいです。
【思春期(13歳以上)】
ストレスが原因になりやすく、熱や嘔吐以外の症状も出ることがあります。生活習慣の改善が重要になります。
危険な頭痛のサイン
以下の症状がある場合の頭痛には要注意しましょう。
1. 激しい痛みと嘔吐の組み合わせ
2. 高い熱を伴う頭痛
3. 朝方の強い頭痛
このような症状のある場合は、すぐに小児科、又は当院にご相談ください。
日常生活での対処法
生活環境や生活習慣が原因の場合、下記の9個の点を見直してみましょう。
①生活リズムの調整
生活リズムを整えることで、体内時計が正常に機能し予防に繋がります。毎日同じ時間に起床し、食事や就寝の時間を一定に保つことが大切です。
②規則正しい睡眠
十分な睡眠をとることで、脳と体がしっかりと休息を取ることができます。こどもは特に成長期にあるため、8〜10時間の睡眠が推奨されます。寝る前のスマホやタブレットの使用を控えることも重要です。
③バランスの良い食事
栄養バランスの取れた食事を心がけることで、体調を整え予防に繋がります。特にビタミンやミネラルを豊富に含む野菜や果物を積極的に摂取することが大切です。
④適度な運動
適度な運動は、血行を促進し、ストレスを軽減する効果があります。毎日30分程度の軽い運動を取り入れることで、予防に役立ちます。
⑤環境整備
こどもの生活環境を整えることで、頭痛の発生を防ぐことができます。部屋の明るさや騒音、温度管理に注意を払い、快適な環境を提供することが重要です。
⑥部屋の明るさ調整
部屋の明るさを適切に調整することで、目の疲れを軽減し、予防に繋がります。特に勉強や読書をする際は、十分な照明を確保することが大切です。
⑦騒音の制限
騒音が頭痛を引き起こすことがあるため、静かな環境を整えることが重要です。特に寝る前や勉強中は、テレビや音楽の音量を控えめにしましょう。
⑧適切な温度管理
部屋の温度を適切に保ち、快適な環境にすることで、予防に繋がります。特に夏場や冬場は、エアコンや暖房を適切に使用し、快適な温度を維持することが大切です。
⑨ストレス管理
こどもの頭痛は心理的な原因も多いため、ストレス管理も重要な対処法です。親や教師がこどものストレスを軽減するためのサポートを行い、リラックスできる時間を持つことが大切です。
予防と対策

生活習慣の改善 こどもの頭痛予防には、以下が重要になります。
①十分な睡眠
②規則正しい食事
③スクリーンタイムの制限
また、定期的な検査を必要に応じて適切な病院で受け、原因を見逃さないようにしましょう。
治療について
治療法は症状や年齢によって、様々ですがここで紹介する8個の治療法を知り、どれが合っているのかどうかを病院で相談しましょう。
①薬物療法
薬物療法は、症状を緩和するために薬を使用する方法です。こどもの頭痛には、痛み止めや片頭痛の特効薬が使用されます。
②年齢に応じた投薬
こどもの年齢や体重に応じて適切な薬を選びます。例えば、イブプロフェンやアセトアミノフェンは、年齢や体重に応じた適切な量を投与します。また、片頭痛の特効薬であるトリプタン製剤も、年齢に応じて使用されます。
③熱や嘔吐への対応
頭痛に加えて熱や嘔吐がある場合、解熱剤や制吐薬を併用することがあります。特に片頭痛では、嘔吐が頻繁に見られるため、アセトアミノフェンの坐薬も有効です。
④予防的な投薬
頭痛が頻繁に発生する場合や、日常生活に支障をきたす場合には、予防的な投薬が行われます。アミトリプチンやロメリジンなどの予防薬が使用されることがあります。
⑤非薬物療法
非薬物療法は、薬を使わずに痛みを緩和する方法です。リラックス法や生活指導、運動療法などが含まれます。
⑥リラックス法
リラックス法には、深呼吸や瞑想、ヨガなどがあり、ストレスを軽減し、予防に効果的です。特にこどもには、簡単なリラクゼーション法を教えることで、日常的に実践できるようにすることが重要です。
⑦生活指導
生活習慣の改善も予防に役立ちます。規則正しい生活リズムを保ち、十分な睡眠をとることが大切です。また、バランスの取れた食事を心がけることで、体調を整え、頭痛の発生を減らすことができます。
⑧運動療法
適度な運動は、血行を促進し、ストレスを軽減する効果があります。毎日30分程度の軽い運動を取り入れることで、予防に役立ちます。特に、外での遊びやスポーツは、こどもにとって楽しい活動となり、健康維持にも繋がります。
まとめ

今回はこどもの頭痛について解説しました。こどもの頭痛は、その原因や症状が多様で、対処法も年齢によって異なります。特に熱や嘔吐を伴う場合は、適切な何科を受診することが必要になります。
ながしま脳神経外科リハビリクリニックでは、必要な場合にはMRI検査や血液検査、心電図検査などを行い、脳の状態だけでなく全身の症状を確認し一人ひとりの症状やお悩みに合わせた頭痛治療を行っています。お子様の頭痛の症状が気になる方は、どうぞお気軽にご相談ください。