脳神経外科ブログ

頸動脈狭窄症

2024.03.25

今回は『頸動脈狭窄症』という病気のお話です。

まずは頸動脈がどこにある血管かお分かりになるだろうか。
左右の顎の下、首を流れる動脈です。指でそっと触れてみてください。
ドクドクと心拍を感じられると思います。

頸動脈は、心臓から頭に血液を運ぶとても重要な血管の1つですが、この頸動脈が何らかの原因で狭くなる病気を頸動脈狭窄症といいます。
血管は細くなっていても、自覚症状が何も無い人も多くみられます。こういった自覚症状が無い状態を「無症候(むしょうこう)」と言います。
反対に、頸動脈狭窄症によって脳梗塞や一過性脳虚血発作など何らかの症状が現れたものを「症候性(症候性)」といいます。

次は頸動脈狭窄症の原因について考えてみましょう。
一番の原因は「動脈硬化症」です。高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙などがもとで、血管の柔軟性が失われ血管の内側にプラークが溜まることを動脈硬化症といいます。動脈硬化症に関しては「アテローム血栓性脳梗塞」の回でもお話しました。そちらも是非ご覧ください。

症候性か無症候性かによって治療方針が変わります。また、どの程度の狭窄率なのかによっても治療方針が変わりますが、主な治療法は「生活習慣の改善」や抗血小板薬などの投薬による「内科的治療」です。内科的治療だけでは治療が困難と判断された場合は、外科的治療「手術」を検討します。外科的治療には、手術で血管を切り開きプラークを剥離・除去する「頸動脈内膜剥離術(CEA)」と、カテーテルによる血管内手術「頸動脈ステント留置術(CAS)」があります。どちらも一長一短があり、どちらの手術がより適しているかは医師が慎重に検討します。

頸動脈狭窄症は脳梗塞の危険因子ですので無症候性だからといって放置してはいけません。
大阪市の脳神経外科、ながしま脳神経外科リハビリクリニックではMRIやエコー検査などで頸動脈狭窄症の検査を実施しております。
定期的な検査や生活習慣病改善についてもお気軽にご相談ください。

関連ページ

・アテローム血栓性脳梗塞
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