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- 片頭痛
ズキズキと脈打つような強い痛みが生じます。頭や体を動かすと、頭に響いてさらにひどくなる傾向があります。吐き気や、光や音・においに敏感になるなどの症状を伴い、ひどい方だと起きていられないほどの状態になることもあります。「片頭痛」と書きますが、頭の片側に起きるとは限りません。20~40歳代の女性に多い傾向がみられますが、小児から発症することも珍しくありません。頭痛発作の前兆として閃輝暗点(せんきあんてん)と呼ばれるギザギザ模様が視野の真ん中に見えることがあります。
頻度 | 月に1~2回程度から時には毎日になることもあります |
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誘因 | ストレスや疲労、寝すぎ・寝不足のような不規則な生活、梅雨や台風、低気圧の接近といった天候の変化。女性の場合は生理周期などが原因で頭痛が起こることもあります |
片頭痛の治療について
片頭痛の薬物療法には、頭痛発作があらわれた時に屯用薬を用いて痛みを消退させる「急性期治療」と、片頭痛発作自体を起きにくくする「予防治療」があります。
片頭痛の急性期治療
片頭痛の急性期治療の目的は頭痛発作があらわれたときにその痛みを速やかに消退させることにあります。急性期治療薬には、「市販薬」と「処方薬」があり、軽症であればアセトアミノフェン(カロナールなど)やNSAIDs(ロキソニンなど)などの市販の消炎解熱鎮痛薬でも対処できることがあります。
しかし症状の重い片頭痛においては市販薬では症状の改善が不十分であることも多く、そういった場合にはトリプタン製剤(イミグラン、レルパックス、マサクルトなど)やラスミジタンコハク塩酸(レイボー)などの処方薬が推奨されています。
この他に、片頭痛では頭痛とともに嘔気・嘔吐症状がみられることがあり、必要に応じて制吐剤(吐き気止め)を使用することもあります。
急性期治療薬の飲み過ぎは薬物使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)を引き起こす可能性があり注意が必要です。市販薬を頻回に服用している場合や頭痛によって日常生活に支障がある場合にはお気軽にながしま脳神経外科リハビリクリニックにご相談ください。
片頭痛の予防治療
片頭痛の予防治療の目的は、片頭痛発作の回数や症状、持続時間を軽減し日常生活への支障を減らすことが目的です。また頭痛発作があらわれたときに急性期治療薬の効果を高める目的もあります。
頭痛発作が月5日以上あるような場合や仕事や日常生活に支障がでるような重い症状の場合、頭痛発作があらわれたときに急性期治療薬を服用しても十分な効果が得られない場合などに予防治療の必要性を検討します。
予防薬には毎日服用する飲み薬と、月に1回程度の間隔で定期的に注射するお薬があります。副作用の少ないお薬を低用量から開始し、その効果を判断するには少なくとも2~3ヶ月ほど必要です。
片頭痛予防薬(飲み薬)として用いられる主な薬剤
・カルシウム拮抗薬―ロメリジン(ミグシス)など
・抗てんかん薬―バルプロ酸(デパケン)など
・β遮断薬―プロプラノロール(インデラル)
・抗うつ薬―アミトリプチン(トリプタノール)など
片頭痛予防薬(皮下注射)として用いられる主な薬剤
CGRP関連薬剤(エムガルディ、アジョビ、アイモビーグ)
片頭痛予防薬 CGRP関連薬剤とは
画期的な頭痛予防薬として2021年から順次承認されている片頭痛治療薬です。脳神経外科専門医等の頭痛診断に十分な知識をもった医師しか処方できません。
片頭痛がなぜ起こるのかといった直接的な原因については現代医学においてもいまだに解明されておりませんが、近年「痛み」の原因物質については少しずつ解明されてきています。中でも現在最も有力な説が、脳の中でCGRPと呼ばれるアミノ酸の一種が分泌され、このCGRPが血管や神経を刺激して頭痛が起こるという説が有力です。そこで出来たのが抗CGRP製剤です。分泌されたCGRPをやっつけたり、血管や神経に届かないようにブロックする作用があります。その効果は高く今まで内服薬で十分な効果が得られなった方でもCGRP関連薬剤を投与すると頭痛の頻度が半減したり頭痛の強さがグッと軽くなったりととても好評です。副作用もほとんど報告されておりません。
現在、CGRP関連薬剤としてエムガルディ、アジョビ、アイモビークの3薬が国内で認可されておりますが、これらはいずれも「注射薬」で月1回程度の注射が必要です。慣れてくるとご自宅で、ご自身で注射していただくことも可能です。
このCGRP関連薬剤は15歳未満には使用できません。また、お薬の値段が高いことが難点で3割負担の方でも1回13,000円ほどの費用が発生します。
ながしま脳神経外科リハビリクリニックでの片頭痛治療
当院ではまず、問診やMRI検査により片頭痛であることを十分に確認します。治療方針は決してこちらから押し付けません。患者さんの頭痛に対するお悩みをよく聞き、患者さんが納得して継続できる治療方針をご提案するよう心掛けています。
慢性的な頭痛でお困りの方、経口投与の頭痛薬で十分な効果が得られずお困りの方、まずはお気軽にながしま脳神経外科リハビリクリニックまでご相談下さい。