
ラクナ梗塞という言葉を耳にして、「どんな症状が出るの?」「治療すれば元通りに治るの?」「麻痺が残るのでは?」と不安を感じる方は少なくありません。脳梗塞の中でもラクナ梗塞は比較的多く見られますが、「症状が軽いから」と放置すると再発や重症化を招きやすいという特徴があります。
この記事では、ラクナ梗塞とは何か、症状の特徴、回復の可能性、そして再発を防ぐためのポイントを詳しく解説します。
ラクナ梗塞とは? 脳の細い血管が詰まる病気

ラクナ梗塞とは、脳の奥深くを通る非常に細い血管が詰まり、その先の組織がダメージを受ける脳梗塞の一種です。「ラクナ」とはラテン語で「小さな空洞」を意味し、ごく小さな範囲のダメージであることが多いため、無症状のまま経過し、検査で初めて見つかるケース(隠れ脳梗塞)もあります。
しかし、無症状だからといって安心は禁物です。血管が詰まったという事実は、「脳の血管が傷みやすい状態にある」という体からのサインだからです。放置すると別の場所で再発し、深刻な麻痺や後遺症につながる恐れがあります。
ラクナ梗塞の主な症状:見逃せない早期サイン
症状は「どこがダメージを受けたか」で決まります。以下のような違和感があれば注意が必要です。
• 顔や手足の麻痺(特に体の片側に起こる)
• 手指の細かい動き(お箸を持つ、ボタンを留めるなど)が難しくなる
• 手足のしびれや、触った感覚の違和感
• 言葉が少し話しづらい、ろれつが回りにくい
これらの症状は、一時的に治まったように見えても「問題が解決した」わけではありません。一度でも症状が出たということは、血管のケアが必要なステージに入ったことを意味します。
ラクナ梗塞の診断に必要な検査
MRIで脳の状態を見るだけでなく、全身の血管の状態を評価することが、将来の再発予防には不可欠です。
• MRI検査(DWI): 梗塞の場所や新旧を確認します。
• ABI検査(足首・上腕血圧比): 足首と腕の血圧を比較し、血管の詰まりや硬さを数値化します。「動脈硬化」がどれくらい進んでいるかを客観的に確認できるため、再発予防の計画に非常に役立ちます。
• 血液検査: 糖尿病や脂質異常症など、血管を傷つける原因を調べます。
• 頸動脈エコー: 脳へ血を送る太い血管の詰まり具合を確認します。
ラクナ梗塞は「治る」のか? 回復と管理の考え方
「治療で治りますか?」という質問をよくいただきます。これに対する答えは、**「早期治療により症状をなくしたり、軽くしたりすることは十分に可能ですが、血管の健康管理は一生続く」**というものです。
• 症状の回復: 早期に治療を開始し、リハビリを行うことで、麻痺やしびれがほとんど気にならないレベルまで回復する方は多くいらっしゃいます。
• 「完治」の捉え方: 脳にできた小さな傷跡自体が消えるわけではありません。また、血管が詰まりやすい原因(高血圧や動脈硬化)を放置すれば再発のリスクは残ります。
そのため、治療のゴールは「今ある症状を取ること」に加え、**「生涯にわたって再発させないこと」**に置かれます。
放置の危険性:再発が招く後遺症
ラクナ梗塞を「小さなこと」と放置してしまうと、再発を繰り返すたびに脳のダメージが蓄積し、以下のようなリスクが高まります。
• 麻痺の重症化・慢性的なしびれ
• 嚥下障害(飲み込みの低下)による誤嚥性肺炎
• 血管性認知症の進行
予防のために今日からできること
ラクナ梗塞の最大の敵は「高血圧」です。
- 血圧管理: 毎日決まった時間に血圧を測りましょう。
- 生活習慣: 減塩、禁煙、適度な運動を心がけます。
- 定期検査: ABI検査やMRIなどで、血管の「今の状態」を把握し続けましょう。
まとめ
ラクナ梗塞は、適切な治療と生活習慣の改善によって、発症前と変わらない生活を送ることが十分に目指せる病気です。「治ったから終わり」ではなく「良い状態を維持する」という意識を持つことが、未来の自分を守ることにつながります。
ながしま脳神経外科リハビリクリニックでは、MRIを用いた精密検査から、ABI検査による動脈硬化の評価、そして再発を防ぐための生活管理まで、トータルでサポートしております。 「最近、少し手足に違和感がある」「血圧が高くて将来が心配」という方は、どうぞお気軽にご相談ください。
