脳神経外科ブログ

一過性脳虚血発作(続)
一過性脳虚血発作(TIA)から脳梗塞を防ぐためにできること

2025.12.01

「もう治ったから大丈夫」では遅い
一過性脳虚血発作の怖さは、症状が消えてしまうことにあります。
見逃されやすいこの段階で受診し、原因を調べておくことが、将来の脳梗塞を防ぐ最善の方法です。

検査の流れ

一過性脳虚血発作が疑われる場合、当院では以下の流れで診察・検査を行います。

① 診察
① 診察

まずは脳神経外科専門医による丁寧な問診と神経学的診察を行い、症状の出方や持続時間、再発の有無などを確認します。
発症時の状況を詳しく伺うことで、脳梗塞の前兆かどうかを判断します。

② MRI検査

診察の結果、TIAが疑われる場合にはMRI検査を行い、脳の血流状態や小さな梗塞の有無を確認します。
当院では必要に応じて即日MRI検査・即日結果説明が可能です。
その日のうちに脳の状態を把握できることで、早期の治療につなげます。

③ 必要に応じた追加検査

症状やリスクに応じて、頸動脈エコー検査や血液検査を行うことがあります。
頸動脈エコーでは首の血管の狭窄や血流を確認し、血液検査では高血圧・糖尿病・脂質異常症など動脈硬化の要因を評価します。
ただし、これらは必須ではなく、医師の判断のもとで実施します。

治療の方法

原因やリスクの程度に応じて、次のような治療を行います。

① 内科的治療

・血液をサラサラにする薬(抗血小板薬・抗凝固薬)を使用
・高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病のコントロール
・食事・運動など生活習慣の見直し

② 外科的・血管内治療
② 外科的・血管内治療

頸動脈が高度に狭くなっている場合には、専門施設で狭窄部を広げる手術やステントを入れて血流を保つ血管内治療を検討します。
どの治療も早期に対応するほど再発予防効果が高いとされています。

再発を防ぐ生活習慣

TIAをきっかけに生活を見直すことが、脳梗塞の最大の予防になります。

・塩分を控え、野菜・魚を多く摂る食生活にする
・適度な運動を続ける(ウォーキングなど)
・禁煙を徹底し、飲酒は控えめに
・睡眠不足を避け、ストレスをためない

また、心房細動などの持病がある方は、医師の指示に従って薬をきちんと服用しましょう。

早期受診が未来を守る

一過性脳虚血発作は、脳からの“最後の警告”です。
症状が治まっても、それは「危険が去った」わけではありません。

当院では、MRI検査を中心にその日のうちに脳の状態を評価し、必要に応じて追加検査・治療方針を決定します。
脳の異常は時間との勝負。気づいた時に受診することが、脳を守る最も確実な方法です。

「少しおかしいな」と感じたら、どうぞお気軽にご相談ください。
早めの診察と検査が、脳梗塞を防ぐ第一歩になります。

WEB予約

WEB予約

tel

06-6210-6175