脳神経外科ブログ

目の奥がぐっと痛む…それって群発頭痛(ぐんぱつずつう)? 気になる症状と原因を解説(前編)

2025.09.01
目の奥がぐっと痛む…それって群発頭痛(ぐんぱつずつう)? 気になる症状と原因を解説(前編)

「片目の奥がえぐられるように痛い」――そんな強烈な痛みに突然襲われる方はいませんか?
その痛みは、もしかすると 群発頭痛 と呼ばれる特殊な頭痛かもしれません。

群発頭痛とは?

群発頭痛は、頭痛の中でも特に痛みが強い頭痛です。痛みは片目の奥を中心に起こり、「じっとしていられないほどの激しい痛み」と表現されることが多いです。
特徴的なのは 群発期 と呼ばれる発作が続く時期があることです。年に1〜2回、数週間から1か月程度の期間に集中して頭痛が出現し、その間は1日に1回~数回、1〜3時間ほどの発作が繰り返されます。
群発期には、痛みだけでなく涙や鼻水、まぶたの腫れ、顔の発汗といった自律神経症状を伴うのも特徴です。特に夜間や明け方に起こりやすいため、睡眠が妨げられ、日常生活や仕事に大きな影響を与えます。

群発期と寛解期の違い

群発頭痛には、発作が集中する「群発期」と、それ以外の「寛解期(発作のない時期)」があります。

群発期(発作が続く時期)

・1日に何度も発作が起こり、仕事や家庭生活に大きな支障が出る
・アルコールや気圧の変化など、ちょっとした刺激で発作が誘発されやすい
・夜間や早朝に起きやすく、睡眠不足や疲労が重なりやすい

寛解期(発作のない時期)

・頭痛はほとんど、あるいは全く起こらず、普段通りの生活ができる
・ただし「またあの痛みが来るのではないか」という不安を抱えて過ごす方も多い
・再発のパターンを理解し、次の群発期に備えることが大切

このように、群発頭痛は「強烈な痛みが続く群発期」と「何も症状が出ない寛解期」を繰り返すのが特徴です。その落差の大きさも、患者さんにとって大きな負担になります。

群発頭痛の頻度と誤解

群発頭痛の頻度と誤解

群発頭痛は、片頭痛や緊張型頭痛と比べると発症頻度が低く、片頭痛の患者さんの100分の1程度といわれています。とはいえ、当院には「自分は群発頭痛ではないか」と心配して受診される方が少なくありません。
また、痛みの強さや症状が特徴的であるにもかかわらず、片頭痛や副鼻腔炎、歯の痛みなどと間違えられることもあります。そのため、正確な診断が非常に重要です。

群発頭痛の典型的な症状

群発頭痛では次のような症状がみられます。

  • • 片目の奥に非常に強い痛みが出る
    • 群発期には毎回同じ側に痛みが出る
    • 涙、鼻水、まぶたの腫れ、顔の汗などが同時に現れる
    • 側頭部やあご、歯にまで痛みが広がることがある
    • 深夜や明け方など、決まった時間に発作が起こりやすい

発作があまりに規則的なため、「眠ると必ず痛みで目が覚める」と訴える方も少なくありません。

👉 次回は、群発頭痛の診断方法や治療法、そして発作を防ぐために日常生活でできる工夫について解説します。

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