脳神経外科ブログ

妊娠中に頭痛薬は飲んでも大丈夫?妊娠中に起こる片頭痛について解説

2025.07.30
妊娠中に頭痛薬は飲んでも大丈夫?妊娠中に起こる片頭痛について解説

妊娠中は赤ちゃんへの影響を考えて、できるだけ薬を飲みたくないと考える方が多いと思います。でも、もともと片頭痛がある方や、生理の前後に頭痛が出やすい方にとっては、「妊娠中に頭痛が起きたらどうしよう」と不安になることもあるかと思います。

片頭痛は女性ホルモンと関係があるため、妊娠中は症状が軽くなることもありますが、その一方で、出産後や授乳中に再び起こりやすくなる傾向もあります。また、ストレスや睡眠不足などが原因で片頭痛が起こることもあれば、「緊張型頭痛」といって、首や肩のこりからくる頭痛が起こることもあります。


もしものときに慌てないためにも、片頭痛の原因や緊張型頭痛との違い、薬の使い方や薬を使わない対処法について知っておくことが大切です。妊婦の方にとっては特に重要な知識と言えるでしょう。

片頭痛とホルモンの関係

片頭痛の原因には、ホルモンの変化が大きく関わっていると考えられています。特に女性ホルモンのひとつである「エストロゲン」が急に減ると、脳内のセロトニンという物質も減少し、それによって血管が広がって片頭痛が起こるとされています。妊娠中はエストロゲンの量が安定するため、片頭痛が軽くなる方も多いですが、出産後や授乳期にはホルモンの変化で再び頭痛が起きやすくなることがあります。

一方、「緊張型頭痛」は、片頭痛とは原因が異なり、ストレスや疲れ、生活習慣の乱れなどがきっかけで起こることが多いです。首や肩、あごの筋肉がこることが頭痛につながるので、長時間同じ姿勢をとっていたり、ストレスがたまっていたりすることで、筋肉がこわばって起きるタイプの頭痛なります。

妊婦さんの場合は、つわりの一部として頭痛が出ることもあり、睡眠不足や疲れ、栄養不足、ストレス、高血圧などが原因になることもあります。

妊娠中は胎児と一心同体。片頭痛と緊張型頭痛には違いがあります

妊娠中は赤ちゃんと一心同体だからこそ、頭痛が起きたときは慎重に対応したいものです。ただし、頭痛にも種類があり、「片頭痛」なのか「緊張型頭痛」なのか分からないという方も多いかもしれません。

片頭痛は、頭の片側がズキズキと強く痛むのが特徴で、吐き気を感じたり、光や音に敏感になったりすることがある一方で、緊張型頭痛は、肩こりや首こりが原因となることが多く、頭の痛みに加えて首筋の痛みやめまいが起こることもあります。また、片頭痛の中には「前兆」があるタイプもあり、光がチカチカ見えたり、一時的に視界がぼやけたりすることもあります。

こうした症状があったり、強いめまいや吐き気、嘔吐がある場合は、命に関わる病気の可能性もあるため、早めに医療機関を受診するようにしましょう。

鎮痛薬を飲むときは、必ず医師や薬剤師に相談しましょう

鎮痛薬を飲むときは、必ず医師や薬剤師に相談しましょう

つらい頭痛を我慢しすぎるのも良くありません。痛みが強い、普段と違う症状があるなどの場合には、できるだけ早く医療機関を受診してください。

妊娠中に薬を飲むときは、おなかの赤ちゃんへの影響をしっかり考えることが大切です。たとえ市販の薬であっても、自分の判断で飲まず、必ず医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

特に注意が必要なのは、妊娠4週から15週ごろまでの時期です。この時期は赤ちゃんの体の器官がつくられる大切な時期なので、薬の服用はなるべく避けるべきとされています。妊娠後期になると奇形のリスクは下がりますが、それでも胎児に影響を与える可能性があるため、授乳中を含め、薬の使用については必ず医師の判断を仰ぐようにしてください。

片頭痛が起きたときは、できるだけリラックスを心がけましょう

片頭痛が起きたときは、できるだけリラックスを心がけましょう

片頭痛は、さまざまなことがきっかけで起こります。例えば、不安やストレス、睡眠不足、食事の内容などが関係していることがあります。そのため、普段からストレスをためないようにし、バランスのとれた食事や十分な睡眠を意識することが大切です。妊婦さんや授乳中の方は、特に自分の心と体をいたわることを意識しましょう。

それでも片頭痛が起きてしまったときは、無理をせず、静かで落ち着ける場所でゆっくりと過ごすようにして、深呼吸をしたり、好きな音楽を聴いたり、アロマの香りでリラックスするのもおすすめです。


自分に合った方法で心と体をリラックスさせることで、痛みがやわらぐこともあります。「我慢しなきゃ」と思いすぎず、自分をいたわる時間を持つことも大切です。

まとめ

まとめ

今回は妊娠中に頭痛薬は飲んでも大丈夫?妊娠中に起こる片頭痛について解説というテーマで、妊娠中や授乳期の頭痛への向き合い方についてご紹介しました。

妊娠中はホルモンバランスの影響で、片頭痛が起こりにくくなることもありますが、すべての妊婦さんに当てはまるわけではなく、頭痛に悩まされることもあります。つらいときには薬を使いたくなることもあると思いますが、妊娠中は自己判断で薬を飲まず、必ず医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

また、片頭痛を予防するためには、日ごろからストレスをためすぎないように気をつけ、バランスの良い食事や十分な睡眠を心がけることが大切です。無理のない範囲で、自分の心と体をいたわりながら、穏やかな妊娠・授乳期間を過ごしていきましょう。

ながしま脳神経外科リハビリクリニックでは、必要な場合にはMRI検査や血液検査、心電図検査などを行い、脳の状態だけでなく全身の症状を確認し一人ひとりの症状やお悩みに合わせた頭痛治療を行っています。つらい頭痛でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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