脳神経外科ブログ

目がチカチカする…それって「閃輝暗点」かもしれません。脳梗塞の可能性があるので要注意

2025.05.30
目がチカチカする…それって「閃輝暗点」かもしれません。脳梗塞の可能性があるので要注意

突然、目の前に光の筋やギザギザの模様が現れ、視界がチカチカしたり、キラキラと輝いたりすることがあります。

このような現象は「閃輝暗点(せんきあんてん)」と呼ばれ、視覚に関する一時的な異常である「光視症」の一種です。多くの人が経験することがあるものの、その原因やメカニズム、治し方についてはあまり知られていません。

実際、閃輝暗点は目のトラブルではなく、脳の視覚を担当する部位に起こる血流の変化が原因とされています。



この症状は一般的に何時間も続くわけではなく、20〜30分ほどで収まりますが、その後に片頭痛が現れることもあります。そのため、初めての症状に戸惑う方も少なくないでしょう。

この記事では、閃輝暗点がどのようなものか、そしてその原因や対処法についてわかりやすく解説していきます。

閃輝暗点(せんきあんてん)とは?

突然、視界にチカチカ・ギラギラとした光や、ギザギザの模様が現れる現象は「閃輝暗点」と呼ばれ、光視症の一種です。目の異常のように思われがちですが、実際は脳の視覚中枢に一時的な血流の変化が起こることで発生すると考えられています。

症状は多くの場合20〜30分ほどで自然におさまり、その後片頭痛が続くことがあります。視覚的な異常が突然現れるため、不安を感じる方も少なくありませんが、ほとんどの場合は何時間も続くわけではなく、一過性で深刻な病気ではありません。

しかし、症状が頻繁に起こる場合や、初めて経験する場合は、他の疾患の可能性も考慮し、専門医の診察を受けることをおすすめします。特に、視界の異常が片目だけに現れる場合や、症状が何時間も続く場合は注意が必要です。

若い方と年齢による違い

若い方と年齢による違い

閃輝暗点は年齢によって症状の現れ方が異なることがあります。10〜20代では、閃輝暗点の後に強い片頭痛を感じることが多いですが、年齢とともに症状は軽くなる傾向があり、50代を超えると頭痛を伴わないケースも増えてきます。

これは、加齢により脳の血管の反応性が変化し、閃輝暗点の発生頻度や症状の強さが変わるためと考えられています。

また、若年層ではストレスや睡眠不足などの生活習慣が影響しやすく、これらの要因が閃輝暗点の引き金となることもあります。

一方、高齢者では閃輝暗点の症状が他の疾患と混同されることもあるため、注意が必要です。特に、視覚的な異常が頻繁に起こる場合や、症状が長時間続く場合は、専門医の診察を受けることをおすすめします。

眼科医が気をつけていること

「閃輝暗点かな?」と思っていても、実は網膜裂孔や網膜剥離といった目の疾患が隠れている場合があります。これらは放置すると視力低下や失明につながるリスクがあるため、早めの眼底検査をおすすめしています。

特に、視界の異常が片目だけに現れる場合や、光の点滅が持続する場合は、網膜に問題がある可能性が高いため、眼科医は慎重に診察を行います。

患者さんの年齢や既往歴、症状の経過などを総合的に判断し、必要に応じて追加の検査を行うこともあり早期発見・早期の治し方が重要な疾患もあるため、自己判断せず専門医の診察を受けることが大切です。視覚的な異常を感じた場合は、速やかに眼科を受診しましょう。

閃輝暗点の見え方とは?

閃輝暗点の見え方とは?

ひとによって見え方は様々ですがよく挙がる声として

・稲妻のようなギザギザした光

・チカチカ・キラキラとした模様

・見え方がゆらゆらと波打つ

・光のまわりが暗く感じる

などの症状が多く、視野の中に突然現れたり感じたりするのが特徴です。



このような症状は30分以内で消えることがほとんどですが、後に片頭痛、吐き気、立ちくらみを伴うこともあるため注意が必要です。視覚的な異常が現れた際には、無理をせず、安静にして症状の経過を観察することが大切です。

また、症状が頻繁に起こる場合や、日常生活に支障をきたす場合は、専門医の診察を受けることをおすすめします。適切な診断と治し方により、症状の軽減や予防が可能です。

原因は目ではなく「脳」

閃輝暗点は目ではなく、脳の後頭部にある「視覚野」と呼ばれる部分の血流が一時的に変化することで起こります。眼球のトラブルとは異なり、症状が治まると脳の状態も自然に回復することが多いとされています。

この一時的な血流の変化は、ストレスや疲労、睡眠不足などの生活習慣が影響することがあります。また、特定の食品や環境要因が引き金となることもあり、生活習慣の見直しやストレス管理が予防につながる場合もあります。

脳の健康を保つためには、規則正しい生活やバランスの取れた食事、適度な運動が重要です。閃輝暗点の症状が頻繁に起こる場合は、生活習慣を見直すことも検討してみましょう。

鑑別が必要な疾患

目の異常ではなくても、閃輝暗点に似た症状を引き起こす病気はいくつかあります。たとえば、

  • 網膜裂孔・網膜剥離

光の異常が片目だけに起きる場合は、目そのものにトラブルが起きている可能性があります。眼底検査によって確認が必要です。

  • 頭蓋内疾患(脳梗塞、脳腫瘍など)

頻繁に閃輝暗点が繰り返される場合には、脳梗塞、脳腫瘍などの脳の病気が隠れていないかを精査することも大切です。必要に応じてMRIやCTといった画像検査をご案内することもあります。

これらの疾患は早期発見・早期の治し方が重要です。視覚的な異常が頻繁に起こる場合や、症状が長時間続く場合は、専門医の診察を受けることをおすすめします。

セルフチェックの方法

セルフチェックの方法

以下のようなセルフチェックを行うことで、原因が目にあるのか脳にあるのか、ある程度の目安を得ることができます。

  • 両目で同じ症状が見られる → 脳の視覚中枢の可能性
  • 片目だけに症状が現れる → 網膜疾患の疑い

ただし、両目に症状が出た場合でも、頻繁に繰り返すようであれば脳の検査が必要になることがあります。初めての症状や繰り返し起こる場合には、迷わず受診してください。

また、症状の頻度や持続時間、伴う症状(頭痛、吐き気など)を記録しておくと、医師の診断に役立ちます。日常生活に支障をきたす場合は、早めの受診を心がけましょう。

閃輝暗点と生活習慣

ストレスや睡眠不足、疲労などの生活習慣が引き金となって、閃輝暗点が現れることもあります。対策としては以下が効果的です。

  • 睡眠をしっかりとる
  • ストレスをためない(リラックス時間の確保)
  • 首や肩まわりの血流改善(軽いストレッチ)

これらの対策により、脳の血流が安定し、閃輝暗点の予防につながることがあります。また、規則正しい生活やバランスの取れた食事、適度な運動も重要です。

日常生活の中で、ストレスを感じたときや疲れがたまったときには、意識的にリラックスする時間を設けるようにしましょう。自分に合ったリフレッシュ方法を見つけることが、症状の予防につながります。

閃輝暗点と食事

以下の食品が症状を誘発することがあるといわれています。

  • チョコレート、ピーナッツ
  • アルコール
  • カフェインを多く含む飲料

一方で、マグネシウムやビタミンB2は片頭痛予防に効果があるとされています。

  • マグネシウム:海藻、大豆、魚介類、玄米など
  • ビタミンB2:卵、納豆、緑黄色野菜、乳製品など

日頃から食生活を整えることで、発症の頻度を減らすことにつながります。特に、バランスの取れた食事を心がけることで、脳の健康を保ち、閃輝暗点の予防に役立ちます。

まとめ

まとめ

今回は、閃輝暗点がどのようなものか、そしてその原因や対処法について解説してきましたが、いかがでしたか。

初めて閃輝暗点のような症状が出たときや、以前より頻度が増えていると感じる場合には、脳梗塞、脳腫瘍などの病気の可能性があるので自己判断せずに一度脳神経外科で相談することをおすすめします。




ながしま脳神経外科リハビリクリニックでは、必要な場合にはMRI検査や血液検査、心電図検査などを行い、脳の状態だけでなく全身の症状を確認し一人ひとりの症状やお悩みに合わせた頭痛の治し方を行っています。つらい頭痛でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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