脳神経外科ブログ

頭の後ろの方(後頭部)が痛む頭痛が気になる方へ。
原因と対処法を解説

2025.01.06

「後頭部がなんだか痛いな・・・」

「後頭部がなんだか痛いな・・・」

「なかなか痛みが引かずに不安」と感じたことはありませんか?

後頭部の頭痛の原因は、くも膜下出血や脳の動脈解離など命に関わるものから片頭痛までさまざまです。痛み止めを服用して様子を見るべき場合から、すぐに医療機関を受診しなければならない場合まであり、受診のタイミングや対処方法が難しいと感じることもあります。

本記事では後頭部の頭痛の代表的な原因と対処方法も解説します。後頭部の頭痛でお悩みの方は最後までご覧ください。

後頭部の頭痛の原因と痛み方の特徴

「頭痛の時はいつも後頭部が痛い」「後頭部がズキズキする」

後頭部の頭痛には、さまざまな原因があり、それぞれの痛み方には特徴があります。ここでは代表的な原因を6つご紹介します。

1.片頭痛

脈打つようなズキズキする痛むのが特徴です。ストレッチやアルコール、天気や気温・気圧の変化など、さまざまな原因で脳の血管が拡張し神経や脳を刺激して痛みを生じますが、そのきっかけや原因は完全には解明されていません。

2.緊張型頭痛

我慢できないほどではないが鈍いズキズキする痛むのが特徴です。ストレスなど心の緊張や長時間による同じ姿勢によって体の緊張が原因で生じる頭痛です。強いストレスを感じると脳の痛みへの反応が変化し、敏感になったり、痛みをうまくコントロールできなくなったりします。

3.神経痛(後頭神経痛)

首の付け根から後頭部、頭頂部にかけてズキズキ・ジンジン・ジリジリと痛むのが特徴です。そのほかに、ビリっと電気が走るような痛みを感じたり、違和感やしびれ感を覚えたりします。
後頭神経痛は脳や脳の周りの血管ではなく、頭の表面におこる神経痛です。猫背や首の骨の変形、長時間のパソコンやスマートフォン操作、ストレスが原因で血流が悪くなったり、筋肉が緊張したりして神経を圧迫することが原因で後頭神経痛を発症します。

4.くも膜下出血

「今まで経験したことがない」「バットで頭を殴られたよう」と例えられるほど、とても激しい頭痛が特徴です。ほかにも、めまいや吐き気・嘔吐、視力低下、意識障害などが現れることがあります。くも膜下出血は、脳をおおっているくも膜の周りの血管が破裂して出血し、脳を圧迫した状態です。速やかに医療機関を受診して出血を止める治療を受けましょう。

5.椎骨動脈解離

突然ズキズキとした強い頭痛を感じるだけでなく、首の付け根の痛みや違和感がでるのが特徴です。椎骨動脈解離は、首から脳に向かって血液を送る動脈の壁が裂けたり剥がれたりしてしまう病気です。血管の壁が裂けたり剥がれたりしているだけであれば、保存的に経過をみることができますが、血管が裂けて破れるとくも膜下出血を引き起こします。
また、血管が裂けて血液の通りが悪くなると、脳梗塞を起こすリスクが高く命に関わることがあります。

6.帯状疱疹

帯状疱疹は水ぼうそうのウイルスが原因で発症する病気で、神経に沿ったズキズキする強い痛みと赤いぶつぶつや水ぶくれが特徴です。もし、頭痛を感じる場所の皮膚にできものができている場合はヘルペスが原因の可能性があります。

後頭部の頭痛の受診のタイミング

後頭部の頭痛の受診のタイミング

後頭部の頭痛を抱える方の中には、病院を受診すべきか、そのタイミングに悩んでいる方もいるかもしれません。ここでは、痛みの程度別に受診のタイミングを解説します。

1.我慢できないくらいの痛み

我慢できないくらい後頭部が痛いときは、脳出血など命に関わる病気が原因である可能性があります。できるだけ速やかに医療機関を受診してください。

2.吐き気や力が入りにくい症状を伴う痛み

後頭部の痛み以外に、吐き気や力が入りにくい症状を伴うときは、命に関わる病気が隠れている可能性があります。我慢できないくらいの痛みと同様に、できるだけ速やかに医療機関を受診してください。

3.仕事や日常生活に支障をきたす痛み

片頭痛がひどい場合には、仕事や日常生活に支障をきたすことがあります。適切な治療を受けることで、頭痛の頻度や程度を減らすことができますので、医療機関を受診し治療を始めましょう。

4.痛みは軽いが週に数回、数時間続く痛み

痛みは軽くとも、週に数回・数時間痛みが続く場合は、一番病院に行ったほうが良いか迷うタイミングかと思います。
痛みの頻度が増したり、強くなったりした場合は、状態が悪化しているSOSの可能性があるため医療機関への受診をおすすめします。

5.皮膚にぶつぶつを伴う痛み

皮膚にぶつぶつを伴う痛みがある場合は、帯状疱疹の可能性があります。帯状疱疹は放置すると重症化して痛みが強くなったり、神経痛などの後遺症が残ったりすることがあります。このような場合は、皮膚科またはかかりつけの内科を受診してください。

後頭部が痛む時の対処方法

後頭部の頭痛は、1週間ほどで自然に治ることが多いですが、痛みが続く場合は脳神経外科を受診しましょう。

先述のとおり、後頭神経痛は日々の動作が原因となっていることがあり、場合によっては仕事や日常生活に支障をきたすこともあります。痛みを我慢するのは禁物です。また、帯状疱疹のような別の病気が潜んでいる場合もあるので、つらいときは医師にご相談ください。

後頭部の頭痛の治し方について

後頭部の頭痛の治し方について

頭痛の治療は、姿勢の改善やストレス解消などの原因を取り除くことが基本です。また、症状や原因に合わせて薬を用いることもあります。

たとえば、鎮痛作用や消炎作用を期待してロキソニンやボルタレンを使うことがあります。肩こりが原因の場合は、筋肉の過剰な緊張をほぐす薬や、上半身の血流を改善する漢方薬の葛根湯を用いることがあります。

薬には副作用があるため、メリット・デメリットを考慮して、医師が患者にあった薬を処方します。

まとめ

まとめ

本記事では、後頭部の頭痛の原因と対処法について解説しました。

後頭部の頭痛の原因は様々で、軽度なものから命にかかわるような病気の可能性もあります。痛みが強い場合や続く場合は病院を受診することで、症状の改善が期待できます。

ながしま脳神経外科リハビリクリニックでは、必要な場合にはMRI検査や血液検査、心電図検査などを行い、脳の状態だけでなく全身の症状を確認し一人ひとりの症状やお悩みに合わせた頭痛治療を行っています。頭痛の症状が気になる方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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