脳神経外科ブログ

天気の悪い日にくる頭痛は放っておいても大丈夫?

2025.01.04

「雨の日は頭が痛い…」

「雨の日は頭が痛い…」

天気が悪い時に、決まって頭が重くなり頭痛に見舞われる方がいます。原因の一つとして「低気圧」が考えられます。気圧が下がると、頭部の血管が拡張し、頭痛を引き起こしやすくなるためです。

今回は、天気が悪い時の頭痛の原因、そして頭痛を和らげるための対策について解説します。お悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

低気圧と頭痛の関係

低気圧と頭痛の関係

低気圧による頭痛は気圧の変化が主な原因とされ「気象病」とも呼ばれます。気象病は、気温や気圧など気候の変化によって引き起こされるさまざまな症状の総称です。低気圧が発生すると、空気中の圧力が下がり、体内の組織や液体が膨張しやすくなります。低気圧による頭痛は、気圧が下がることで脳の血管が拡張され、頭蓋骨と脊椎の内側にある硬膜にある三叉神経が刺激されることにより頭痛が引き起こされると言われています。

気象病による頭痛以外の不調

低気圧に限らず、気温の急激な変化も気象病を引き起こす要因となります。急激な気圧の変化や気温の変化によって頭痛以外にも以下のようなさまざまな体調不良が引き起こされます。

1.首の痛み・肩こり

首の痛みや肩こりが生じることがあります。気圧の低下や気温の変動は自律神経の乱れを引き起こし、血管の拡張や収縮を起こすことで、首や肩の血流が増加し、筋肉が緊張して痛みやこりを感じることが多いです。

また、首は脳に近く交感神経が走行しており、気圧を感知する内耳ともつながっているため、変化に敏感な人は特に痛みを感じやすくなります。

2. 耳の痛み

同様に耳の痛みを訴える方も少なくありません。中耳の圧力変動により鼓膜が内外に押しつけられることで痛みが生じ、鼓膜の可動性が低下すると耳鳴りや聴力低下も引き起こされることがあります。

3.うつ症状

自律神経のバランスが乱れると、うつ症状が出やすくなります。気分が憂鬱になり、集中力が低下することがあります。不眠や食欲不振も伴うことがあり、一時的なものであることが多いですが、長期間続く場合は専門医の受診が必要です。

4.むくみ

急激な気圧の低下は、体内の水分代謝を乱しやすくなります。体内の水分と塩分の再吸収を高めるアルドステロンという物質の分泌が促進され、血液中の水分が血管の外に押し出されることでむくみが発生します。むくみは、頭痛や関節痛を引き起こすことがあります。

5.めまい

低気圧によって内耳の平衡感覚が乱れめまいが起こることもあります。低気圧の関係で内耳の体液の動きがスムーズでなくなることから、平衡感覚が乱れてめまいを引き起こします。

6.更年期障害の悪化

気圧の低下や気温の変動は自律神経の乱れを引き起こし、更年期障害の症状を悪化させる傾向があります。ホルモンバランスの乱れによる症状が、低気圧の関係でさらに強く現れることがあり、女性だけでなく男性にも同様の影響が及ぶことがあります。

7.関節リウマチや神経痛の悪化

低気圧によって、関節リウマチや神経痛の症状が悪化することがあります。気圧が低下すると血管にかかる圧力も低下し、細胞内に水分が移行しやすくなります。これにより痛みや炎症が強くなることがあります。

低気圧と頭痛の関係とは?頭痛を和らげる対策

低気圧と頭痛の関係とは?頭痛を和らげる対策

低気圧による頭痛などの気象病は「天候」というヒトにはあらがえない現象が原因のため、それぞれの症状を和らげる対処療法が主となります。
ここでは、すぐに実践できる頭痛を和らげるための具体的な方法を紹介します。
痛みの程度にもよりますが、つらい痛みから解放されるヒントとして、参考にしてください。

1.耳のマッサージをする

頭痛を緩和する方法の一つに、耳のマッサージがあります。耳の上部に位置するツボ「神門」を刺激することで自律神経が整い、痛みが和らぐ効果が期待できます。耳のマッサージの手順は大きく4ステップです。

①両耳を軽くつまみ、上・下・横の方向に5秒ずつ引っ張る。
② 軽く引っ張ったまま、後ろに向かってゆっくり5回まわす。
③ 耳を上下から包むように折り曲げて5秒間静止する。
④耳を手のひらで覆い、ゆっくり5回円を描くように後ろにまわす。

耳のマッサージは、朝・昼・晩の1日3回行うと効果的です。特に入浴後など、全身が温まり血流が良くなった時に行うのが理想的です。

2.自律神経を整える

自律神経を整えることで頭痛を和らげることができます。規則正しい生活リズムを保つこと、ストレスを解消するための運動や趣味、十分な睡眠、バランスの良い食事を心がけることが大切です。さらに、アロマセラピーやヨガ、入浴を習慣化することも血行を良くすることができます。

3. 気圧の変化に備える

頭痛を予防するためには、気圧の変化を事前に把握し対策を立てることが効果的です。例えば、天気予報などのアプリを利用して気圧の変化を確認し、頭痛が起こりそうな場合に事前に水分を摂取したり、ストレッチを行いましょう。また、気圧対策用の耳栓というものがあります。急激な気圧の変化から耳を守り、耳への負担を軽減することで頭痛の予防になると言われています。

4.漢方薬を服用する

頭痛に効果的な漢方薬の一つに五苓散があります。この漢方薬は血管の拡張と自律神経のバランスを整えるのに役立ち、痛みを軽減する効果が期待できます。頻繁に低気圧による頭痛に悩まされる方は、当院にご相談ください。

まとめ

まとめ

いかがでしたでしょうか?気圧の変化に敏感な方は、低気圧の際に自律神経の乱れから頭痛などの不調が生じやすくなります。

低気圧頭痛は自然に治まることが多いですが、症状がひどい場合や症状が続く場合は早めに病院を受診することをお勧めします。

ながしま脳神経外科リハビリクリニックでは、必要な場合にはMRI検査や血液検査、心電図検査などを行い、脳の状態だけでなく全身の症状を確認し一人ひとりの症状やお悩みに合わせた治療を行っています。頭痛の症状が気になる方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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