脳神経外科ブログ

激しい頭痛にMRI検査は必要?

2024.11.19

激しい頭痛にMRI検査は必要?
MRI検査でわかることや当日の流れをチェック

MRI検査って何?

MRI検査って何?

MRIとは磁気共鳴画像といい、体内に最も多く含まれている水素原子を電磁波で共鳴させて画像化する検査です。CT検査やレントゲン検査とは異なり、放射線被ばくの無い非常に安全な検査といえます。

頭蓋骨に囲まれた脳の状態を知るにはMRI検査やCT検査のような断層画像検査が必要になります。MRI検査は非常に小さな組織を鮮明に画像化でき、CT検査では発見できない小さな脳梗塞などの病気も早期に発見することができます。

またMRI検査は、造影剤を用いなくても血管の情報が得られるなどの特徴を持っています。

MRI検査の目的

原因不明の頭痛やめまいなど「脳」の病気に由来する病気の早期発見が一番の目的です。
とはいえ、頭痛診断においてMRI検査は必須ではありません。ながしま脳神経外科リハビリクリニックではあくまで医師が必要と判断したとき、あるいは患者様が希望されたときにのみMRI検査を行います。

頭痛や脳の検査にMRIが推奨される理由

頭痛や脳の検査にMRIが推奨される理由

脳の検査には多種多様な検査があります。画像診断として代表的な物は、MRI検査やCT検査があります。その他にもカテーテル検査、放射性同位元素検査、超音波検査、脳波検査など様々です。どのような症状でどのような病気を疑うかによって検査種の選別が変わってきます。頭痛診断においてMRI検査が推奨される理由は主に3つあります。

①柔らかい組織の撮影に適している
②多角度からの診断が可能
③造影剤を用いずに脳血管の撮影が出来る

MRI検査は非常に小さな組織を画像化することに優れています。撮影方法によっては1ミリ以下の大きさの病気も見つけることができます。MRI検査では、同じ部位を違う角度から多角的に見ることができます。これにより、単一の方向からだけでは判断しにくい画像も、違う角度から見ることでより正確な診断ができます。

また、CT検査やカテーテル検査とは異なり、MRI検査では造影剤を用いずに血管の撮像ができることも頭痛の診断においてMRI検査が選ばれる理由のひとつと言えます。

命に関わることもある代表的な脳の病気

命に関わることもある代表的な病気は脳梗塞、くも膜下出血、脳出血、脳腫瘍などが挙げられます。軽い頭痛でも極まれにこのような大病が隠れていることもあります。

結果、何も見つからないことも少なくありませんが、決して無駄ではありません。まずはこの頭痛は大きな病気が原因ではないと安心していただけます。次に、画像上では異常はみられないが、頭痛の症状でお困りとの事実をもとに診察を進めていきます。この「画像上では異常がみられない頭痛」というのは大変重要な情報です。これを一次性頭痛といい、片頭痛や緊張型頭痛はこれに分類されます。

MRI検査当日の流れ

MRI検査当日の流れ

当日患者様が病院に来院されてからの、当日の流れをご紹介します。

①医師の診察

いきなり検査というわけにはいきません。まずは医師の診察を受けていただき、頭痛の症状や頻度などを詳細にお聞きします。その上で医師が必要と判断したときにMRI検査を受けて頂きます。

②検査の説明

まずは、MRI検査用の問診にお答えいただきます。次に先ほどの問診表をもとに検査前の説明があります。検査時間については平均20分程度ですが、検査内容によってはそれ以上かかることもあります。お手洗いは事前に済ませていただきます。

③着替え

撮影室内は強力な磁場が発生しているため、金属製品(時計、アクセサリー、義歯など)は持ち込めませんので外していただきます。

④検査~撮影開始

寝台に横になっていただき、再度検査についてご案内します。検査中は大きな音がするため、ながしま脳神経外科リハビリクリニックではヘッドホンを装着し音楽を聞きながら検査を受けていただけます。
万一急な気分不良などがあった際にすぐに対応できるよう、検査中は呼び出しブザーをお持ちいただきます。

⑤着替え

撮影後は着替えをしていただきます。忘れ物がないようにご注意ください。

⑥結果説明

その日の内に医師が検査結果をします。撮影した検査画像をお見せしながら詳しくご説明します。

検査の費用

MRI検査の費用について保険適用の場合の目安をご説明します。
一般的に保険適用の3割負担の場合、支払う費用の金額は8,000円前後です。気になる方はお気軽に受付スタッフにお問い合わせください。

検査で気を付けること

検査で気を付けること

MRI検査では、強力な磁力を使って検査をします。
そのため、検査室内に磁力の影響を受けるものは持ち込めません。ここでは、具体的な注意点をご紹介します。

〈1.検査を受けるときに身に着けてはいけないもの〉

①湿布や貼付薬
やけどをする恐れがあります。必ず外してください。

②電子機器
補聴器・時計・携帯電話などの電子機器は、磁力によって故障してしまいます。検査前に、電子機器を外すことを忘れないでください。

③化粧
化粧品には磁性体が含まれているものがあります。ラメが入ったマスカラやアイシャドウ、アイライン、アイブロウ等は検査画像に影響がでる場合があります。できればお化粧はせずに来院ください。

検査に支障がでる場合はお化粧は落としてから検査を受けていただくこともあります。

④金属類
ピアスやネックレスなどのアクセサリー、ウィッグ、金属製のワイヤー入りマスク、コルセット系の下着、ホックが金属でできているもの、金属のついている服、腕時計、眼鏡等は検査前に取り外していただきます。外せないものがあると検査ができない場合があります。事前にスタッフにご相談ください。

⑤カラーコンタクトレンズ
カラーコンタクトレンズの色素には鉄成分が含まれている場合があるため、カラーコンタクトレンズをつけたまま検査を受けると角膜やけどの恐れがあり危険です。カラーコンタクトレンズを使用している方は検査の前に外していただきます。

⑥義歯や歯列矯正器具
銀歯やインプラントなど取り外し出来ないものは問題ありませんが、取り外し可能な義歯は事前に取り外していただきます。歯列矯正器具は人体に害はありませんので検査を受けていただくことは問題ありませんが、器具の金属の影響で検査画像の画質に影響が出る場合があります。

〈2.MRI検査を受けられない方〉

以下のケースに当てはまる場合は、MRI検査を受けられない可能性があるので事前にご相談ください。

①心臓ペースメーカーを装着している
心臓ペースメーカーだけでなく、除細動器や人工内耳・植え込み型ポンプ・神経刺激装置といった磁場に反応する物質を身に着けている方は、MRI検査を受けられません。
MRI検査室は非常に強い磁場が発生しており、これらの機器が壊れる可能性があるからです。

最近ではMRI対応のペースメーカーもありますが、その場合も、当院には循環器内科医が常時いないなど施設基準を満たしておりませんので検査を受けていただくことができません。ペースメーカーに対応可能な病院をご紹介いたします。

②体内に金属が埋め込まれている
体内に埋め込まれている金属によっては、検査が受けられないことがあります。血管内のステントや骨折時に埋め込んだボルト・避妊リング・金属クリップなど、体内に金属が埋め込まれている場合は必ず事前にスタッフにお申し出ください。

③刺青やアートメイクをしている
刺青やタトゥーの色素に鉄などの金属成分が含まれている場合があります。MRI検査の強力な磁石と反応し、やけどを起こしたり変色する危険性があります。

刺青やアートメイクをしている方は、事前に必ずスタッフにお申し出ください。

④閉所恐怖症/狭い所が極端に苦手な人
MRI検査はトンネルのような空間の中で行われるため、狭い所が極端に苦手な方や閉所恐怖症の人は事前にご相談ください。検査中は音楽が聴けるようヘッドホンを装着します。その他、少しでもストレスが軽減できるようお手伝いしますのでお気軽にご相談ください。アイマスクなどをご持参いただいても結構です。

まとめ

まとめ

今回はMRI検査について解説しました。検査を初めて受ける場合は検査を不安に感じることがあると思います。しかし、激しい痛みの頭痛や吐き気を伴う頭痛、または普段とは何かが違う頭痛や長時間にわたる頭痛などがあらわれご不安な場合は、早めの受診をおすすめします。

大阪市内にあるながしま脳神経外科リハビリクリニックでは、専門医による頭痛の診察、MRI検査を行っております。頭痛にお悩みの方はお気軽にご相談ください。

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