これって緊張型頭痛かな?
頭痛がおきた時のセルフチェック方法
緊張型頭痛とは
緊張型頭痛は、軽度から中等度の痛みを伴い、頭がベルトで締め付けられるような感覚が特徴の頭痛です。
「頭痛」とは、頭蓋内の痛み以外にも頭皮や顔面、首の上部も含めた頭部のいずれかに生じる痛みの総称で、後頭部と首の境界や目の奥の痛みも含まれます。熱や腹痛と同様に「症状」の名称ですが、慢性的に頭痛発作を繰り返す場合には「頭痛症」として病名扱いされます。頭痛は医療機関の受診理由として非常に多い症状の一つです。
また頭痛は、一次性頭痛(原発性頭痛)と二次性頭痛に大別されます。二次性頭痛は他の病気が原因であり、脳、眼、鼻、のど、副鼻腔、歯、あご、耳、首など全身の病気が関与しています。特に髄膜炎や脳腫瘍、脳内出血など脳に影響を及ぼすものには注意が必要です。
一方、一次性頭痛は他の病気が原因ではなく、頭痛発作を繰り返したり持続することが問題となります。緊張型頭痛も一次性頭痛の一つであり、他には片頭痛や群発頭痛があります。
緊張型頭痛は一次性頭痛の中で最も多いタイプで、世界人口の3人に1人がこの頭痛を経験していると言われています。
このように、緊張型頭痛は非常に一般的な頭痛であり、その原因や症状、治療法について理解することが重要です。次に、症状、具体的な原因、治療法について詳しく見ていきましょう。
緊張型頭痛の症状
緊張型頭痛には、反復性(月に15日未満)と慢性(3ヶ月を超えて、平均して月に15日以上)の2種類があります。
反復性緊張型頭痛
反復性緊張型頭痛では、痛みの強さは軽度から中等度で、持続時間は30分から数日です。朝起きてから数時間後に頭痛が始まり、時間が経つにつれて症状が悪化します。通常、眠っている間に頭痛がひどくなって目が覚めることはありません。
慢性緊張型頭痛
一方、慢性緊張型頭痛では、頭痛発作の回数が多いほど痛みが強くなる傾向があります。1日の中で痛みの強さが変わることがあるものの、ほぼ常に痛みを感じている状態が続きます。緊張型頭痛が重度であることはまれで、日常生活に支障が出ることはありますが、寝込むことは通常ありません。
脈打つような痛みが特徴の偏頭痛とは異なり、緊張型頭痛は吐き気や嘔吐を伴わず、身体活動、光、音、匂いによって痛みが悪化することもあります。
緊張型頭痛の原因
緊張型頭痛の原因は完全には解明されていませんが、痛みを感じる閾値が通常より低くなることが関係していると考えられています。また、ストレスが関与している可能性もありますが、頭痛とストレスの関係は明確ではなく、ストレスだけで症状を説明することはできません。
頭痛は、身体的な問題、心理的な問題、生活習慣の問題、またはこれらの複合的な要因によって引き起こされることがあります。身体的な原因としては、頭部や首の痛み、目の疲れ、歯の問題、疲労、睡眠不足、飲酒、薬の副作用などが挙げられます。心理的な原因には、うつ病、不安、パニック発作などがあります。また、生活習慣の問題としては、不規則な食生活、運動不足、長時間のデスクワーク、携帯電話やパソコンの画面を長時間見続けることなどが考えられます。
緊張型頭痛の診断方法
緊張型頭痛を診断するための特定の検査はありません。当院では、頭痛の発症部位や強度、頻度、パターン等を詳しくヒアリングします。加えて病歴や身体検査なども含め総合的に評価して頭痛診断を行います。そのため、普段から痛みが発生した際に詳しく日記などに記録しておくと診断の際に役立ちます。
他の疾患を除外するために、必要に応じてMRI検査や血液検査を行うこともあります。
MRI検査
MRI(Magnetic Resonance Imaging)は、磁気共鳴画像の略です。大きな磁石による磁場の中で体内の水素原子の核磁気共鳴現象を測定し、コンピュータで解析して人体の内部構造を画像化する検査です。エックス線を使用しないため、被ばくの心配はありません。
緊張型頭痛の治し方
日常生活に支障をきたさない程度の頭痛であれば治療が必要ない場合もあります。
しかし、頭痛によって日常生活が制限されたり、頻度や重症度が増している場合は治療が必要です。軽度から中等度の緊張型頭痛は、アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェンなど、市販薬の鎮痛薬で痛みを軽減することもありますが、市販の鎮痛薬で効果がなく、いつもの頭痛と違うなと感じたら、早めに当院にご相談ください。頭痛薬の一部にはカフェインが含まれており、カフェインを摂取することで鎮痛効果が得られることもありますが、過剰な摂取はかえって頭痛を引き起こす原因になることがあるため、適切な用法用量を守りましょう。
緊張型頭痛に効果的なストレッチと体操
緊張型頭痛の原因と治し方
緊張型頭痛は、精神的または身体的ストレスによる首や肩の筋肉のこりや血行不良が原因で発生します。そのため、ストレッチが非常に効果的です。
効果的な頭痛体操
腕を振る体操
1. 正面を向いた状態で頭を固定し、両肩を大きく回転させます。
2. 頸椎(けいつい)を軸として肩を回転させ、頭と首を支えている筋肉(インナーマッスル)をリズミカルにストレッチします。
3. この動作を2分間続けましょう。
肩を回す体操
1. ひじを軽く曲げ、肩を前後に回転させます。
2. 前に回すときはバッグを肩にかけるような感覚で、後ろに回すときは洋服を脱ぐような感覚で肩を回します。
3. この動作を6回繰り返します。慣れてきたら、僧帽筋にたくさんの刺激を与えるように大きく肩を回しましょう。
椅子に座ったままできる体操
1. 椅子に座り、両足を揃えたまま正面を向きます。
2. 左右の肩を交互に前に出しながら、体を回転させる運動を行います。
これらの体操を日常に取り入れることで、緊張型頭痛の予防や緩和に役立ちます。
まとめ
多くの方が日常的に頭痛を抱えていますが、病院に行くほどではないと感じている方も多いのではないでしょうか。特に忙しい働き世代の方々には、頭痛体操を試してみることをおすすめします。
普段の頭痛とは異なり、吐き気やろれつが回らない、ものが二重に見える、眩暈や痙攣などの症状が現れた場合、危険な病気が隠れている可能性があります。このような症状を感じたら、迷わず直ちに医療機関を受診することが重要です。
ながしま脳神経外科リハビリクリニックではMRI検査が出来ますので、お気軽にご相談ください。