今回は水頭症のひとつ「特発性正常圧水頭症」のお話です。急に聞きなれない言葉がいっぱい出てきましたね。順を追って見ていきましょう。
まずは「特発性」。前回のブログでお話したように、水頭症は脳脊髄液の生成と吸収のバランスが崩れた時に発症します。そのバランスを崩すきっかけとなる病気が有るか無いか、有る場合を「続発性」、無い場合を「特発性」と言います。代表的な原疾患として「くも膜下出血」があげられます。くも膜下出血を発症したあとに、髄液の生成と吸収のバランスを崩して水頭症を発症することがあります。こういった原疾患が明確な場合を「続発性」と言います。今日のタイトルにある「特発性」は、こういった原疾患が明確ではない場合に使われる用語です。
次の言葉「正常圧」。これは髄液の圧力を指しています。脳内の髄液は一定の圧を保つ必要があります。高すぎても低すぎても健康に支障をきたします。この高すぎず低すぎずの圧力を「正常圧」と言います。
ここまでを振り返ると「特発性正常圧水頭症」とは、水頭症を発症するにあたっての明確な原疾患が無いにも関わらず発症した水頭症で、なおかつ脳内の髄液圧は正常範囲内である水頭症ということになります。
特発性正常圧水頭症は「iNPH : idiopathic normal pressure hydrocephalus」」と表記されることもあります。iNPHには「三徴」と呼ばれる特徴的な症状が3つあります。
次回は「三徴」について触れたいと思います。
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