脳神経外科ブログ

心原性脳塞栓症

2024.03.04
心原性脳塞栓症

代表的な3つの脳梗塞の内の1つ、『心原性脳塞栓症』のお話をしたいと思います。

心原性脳塞栓症は、文字通り「心臓」に「原因」があって発症する脳梗塞です。代表的な心疾患は、非弁膜症性心房細動(不整脈)、感染性心内膜炎、最近発症した心筋梗塞などが挙げられます。これらの心疾患により心臓内で「血栓」と呼ばれる血のかたまりができ、その血栓の一部が心臓から飛び出し血流に乗って脳の動脈を詰まらせることにより脳梗塞を発症します。

プラークによって徐々に血管が細くなるアテローム血栓性脳梗塞とは異なり、心原性脳塞栓症は心臓で形成された血栓が比較的太い動脈血管を一瞬で詰まらせることが多く、片麻痺や失語、意識障害など脳梗塞の中でも重篤な症状を呈することが多いのが特徴です。

血栓などにより血流が遮られることを「虚血」と言いますが、虚血になった脳細胞は時間経過と共にダメージを受けます。そしてある一定時間を過ぎると脳細胞は急激に細胞壊死を起こしもろくなります。

時として、虚血の原因となっていた血栓は溶けて消えてしまう事があります。血栓がなくなれば、血流が再開するわけですが、先ほどの一定時間を超えて細胞壊死を起こし始めた脳細胞に血液が流れ込むと、細胞壁はその血流を受け止めることが出来ず決壊し脳出血となります。この脳梗塞が原因で脳出血を発症したものを「出血性梗塞」と言います。

心原性脳塞栓症に限らず、どのタイプの脳梗塞でも出血性梗塞を合併する危険性はありますが、心原性脳塞栓症では他の脳梗塞と比べて出血の範囲が広範囲になる傾向があり、生命の危険を伴います。

大阪市の脳神経外科、ながしま脳神経外科リハビリクリニックでは、循環器内科外来を行っております。また、心電図検査装置など心疾患を精査する検査機器も完備しております。
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